子育てをするわたしたちはキャリアをつかめないのか

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なぎさ(Nagisa)

■ライター ■肉厚な夫・長女(3歳)・長男(1歳)■積み木とジェンダーにアツい臨床心理士です。

「子育てとキャリア」に悩む親友

 

最近、わたしの親友が思いっきり体調を崩しています。

 

彼女は、豪快で、よく笑い、よく酒を飲み、面白いことを言ってみんなを盛り上げてくれるムードメーカー的な人なのだけど、最近本当に元気がないんですよね。

 

表情は暗いことも多いし、ストレスからからだの症状まで出始めているんです。

 

原因は、多分「仕事と子育ての両立」について本気で考え始めたことにあるんじゃないかなーと話しています。

 

 

最近、彼女はハワイで結婚式をあげたんですが、ハネムーンも終わり、いつでも妊娠できる状況になりました。

 

それで、仕事と子育ての両立について本気で考え始めたのかもしれません。

 

彼女は、今の仕事がめちゃめちゃ好きです。

 

新卒で、幼い頃から憧れていた企業に受かって、8年間順調にキャリアアップしてきました。

 

かなりのハードワークだけど、「今の仕事が楽しいし、子どもが生まれても働き続けたい」といつも言っていたんですよね。

 

彼女の今の不安の中には、

    • 同じ部署内には、子育てをしながらキャリアをつんでいる女性がいないこと

 

  • 育休期間内に、スムーズに仕事に戻れるかの心配(保活問題)

などもあったけど、

 

一番の心配は、「産休や育休で自分が抜けることに罪悪感」とのことでした。

 

「正直、産休や育休で、同僚や上司に迷惑をかけるし、周りにどう思われるのかをどうしても気にしてしまう」そうです。

 

最近の彼女は、「仕事、辞めた方がいいのかも」と漏らすようになって、ますます心配です。

 

産休・育休の取得は悪なのか

最近twitterでこんな投書を見かけました。

 

育休の肩代わり 過重負担では

娘の小学校入学式に合わせ、夫は前々から休暇を申し出ていた。しかし直前になって同僚女性が育休を延長し、「代わりがいない」と叱責されて出社を命じられた。夫は一生に一度と楽しみにしていたのに列席できなかった。この女性の産休中、夫は仕事のほとんど全てを肩代わりし、過労が重なり帯状疱疹も患った。

産休・育休の取得が広がる中、同僚にしわよせがいく。私の身近で、過労で倒れてしまった人は他にもいる。「マタハラ」とも言われかねないので、なかなか声は上げづらいが、負担を強いられる男性や独身者にも人生があり、家族もいることを忘れないでほしい。

私は、育児は片手間にはできないと考え、正社員で勤めていた会社を辞めた。何かを得ようとすれば、何かを犠牲にせざるを得ないのはみんな同じだ。収入源で経済的には痛いが、子供の成長に寄り添える喜びを得ることができた。

それぞれの家庭に事情があるのは分かる。でも、産休や育休の肩代わりが同僚らの負担になっている現状に気づいてほしい。

 

(引用元のツイート↓)

 

わたしは、この投書を読んで、娘さんの入学式に家族で参加できなかったのは、会社の人員不足が原因だと思いました。

 

一人の産休社員の仕事を数人で分担するならまだしも、ほとんど一人で肩代わりするというのは、明らかに負担が大きすぎますよね?

 

でも、負担を強いられた社員やその家族の不満の矛先は、たいていの場合、産休や育休をとる人に向かうのもまた事実です。

 

そして、育休や産休をとる人に対して、「迷惑だ」とか「会社、辞めればいいのに」とか内心思っている人もいると思います。

 

そして、その空気は必ず伝わって、産休を取得した本人は、めちゃめちゃ肩身の狭い思いをすることになるんですよね。

 

 

同僚男性の負担に気づくべきは誰なのか


冷静に考えれば、誰かに大きなしわ寄せがくるのは、明らかに会社の人員不足が原因。

 

産休や育休をきっかけにそれが露呈しただけなのだけど、圧倒的な負担がかかると、見えやすいところに不満の矛先を向けてしまいやすいのかな、とも思います。

 

この投書の文末には、

でも、産休や育休の肩代わりが同僚男性の負担になっている現状に気づいてほしい。

 

とあるけど、産休をとる人は、そんなことは痛いほどわかっているんです。

 

口に出すのは、1度か2度かもしれないけど、心の中で「ごめんなさい」と、何度も何度も思っている。

 

でも、それでもその会社で働き続けたいから、辞職でなく休暇という形で申請するんですよね。

 

でも本当は、同僚男性の過労に気づいて対処すべきなのは、産休中の女性じゃなくて会社の方なんじゃない?と思うんです。

 

サービス精神旺盛すぎるこの国と、人員不足すぎる会社

 

日本は、めちゃめちゃものが安いですよね。

 

「え、このクオリティでこの価格?!」と驚く商品やサービスばかりです。

 

その恩恵を受けていると、「圧倒的な安さの裏には、サービス残業や長時間労働を含めた、安価な労働力がある」ってことを、たまに忘れそうになります。

 

日本って、過労がスタンダートの働き方になってるんですよね。

 

育児中は、長時間労働なんてできないんだけど、本当はそういう働き方がスタンダートであるべきだとも思います。

 

社内の人が減るのなら、無駄な仕事を見直したり、納期を遅らせたり、仕事を減らしたりするべきだと思うし、

 

産休や育休のピンチヒッターに非正規雇用の人を入れるのであれば、待遇をよくしてあげるとか。

 

育児中の人も在宅で勤務することを認めるとか。

 

そんな感じで、同僚に大きな負担をかけずに、産休育休中の穴埋めをすることはできないのかな。。

 

ギブアンドテイク精神が圧倒的に少ない社会

今、ギブしていることに文句ばかり言っている人は、自分がテイクされる立場になることを想像しないのかな、とも思います。

 

たとえば、この投書に出てくる「夫」は、妻が専業主婦なので、育児や介護で仕事に穴をあける心配はないかもしれない。

 

でも、病気や事故で入院したり、仕事が一時的にできなくなる可能性は十分あると思います。

 

自分が大変なときに、社内の人に「迷惑だ」とか「辞めればいいのに」とかいう空気出されたら、めちゃめちゃ落ち込みますよね。

 

「産休・育休をとるぐらいなら会社を辞めろ」と思っている人は、自分が迷惑をかける立場になったら、あっさり仕事を辞めるんでしょうか?

 

たいていの場合、気まずい思いをしながらも同僚に助けてもらうのではないでしょうか?

 

もしかしたら、そのとき助けてくれるのは、育休取得でさんざん文句を言われたあの人かもしれないですよね。

 

誰だって、テイクされる可能性はあります。

 

「自分は迷惑かけないようにするから、あなたも迷惑かけないで」じゃなくて、「自分も迷惑かけるから、あなたも頼ってよ」と言い合える社会であってほしい。

 

子育てをする人たちが笑顔でキャリアを目指せる社会に

 

「わたしはコレを犠牲にしたから、お前も何かを犠牲にすべき」とか「子どもができたら仕事を辞めろ(もしくは、キャリアがほしいなら子供を産むな)」なんて社会、視野がせまくて、ギスギスしていて、めちゃめちゃ窮屈です。

 

子育てをする人たちが笑顔でキャリアを目指せる世の中になってほしい。

 

もちろん、子育てだけに注力してもいいし、子育てせずにキャリアだけを目指してもいいし、子どももキャリアもいらない、という生き方だっていい。

 

「長時間労働と人員不足の解消」「ギブアンドテイク精神」「生き方や働き方の多様性を認め合う」そんないい感じの国にならないかな。

 

とりあえず、親友が安心して子どもを産んで、笑顔で仕事に復帰できるように、急速にそんな社会になってほしいです。

 

 

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なぎさ(Nagisa)

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